ポルトガルの大規模停電、なかなかにカオスを極めていた

2025年4月28日のイベリア半島大規模停電に私も現地で遭遇しました。

停電の理由は未解明ですが、停電下の状況がどんな感じだったか、を私の当日の行動を通して書いてみます。


停電時

停電が始まった時、私は地理の授業を受けていました。クラス内でパワーポイントを用いたプレゼンテーションが行われていた時に急に画面が消え、真っ暗になりました。それに対するどよめきも特にはなく、ああ、また停電ね、という雰囲気が漂っていました。それ故に私は最初それが停電であることに気が付かなかったくらいです。


通信障害

地理の授業が終わってスマホを開けてみると、TwitterもLINEもめちゃくちゃ重い。ギガを使い切ってしまった月末のような動作をしていました。その時になんとか見たツイートでようやくイベリア半島全域が停電になっているという事態を把握しました。

通信障害は停電直後から始まり、2.3時間はなんとか読み込みが遅くても動いていたものの、その後から電力復旧までは一切使用できなくなってしまいました。


昼食

昼食を買いに行こう、とpingo doce(スーパー)まで足を運ぶと、停電故にお店が閉まっていました。それならば、とマックにも行ったのですが、注文を受け付けるパネルが当然のように機能していなくて、店内が混乱状態になっていたので仕方なく学校に戻ることにしました。学校のBARではとりあえずの策として無料(とは言っても後日返金しなければいけません)でパンを配っていたので、それを食べました。


帰宅後

帰宅後は真っ暗な家の中で特に何もすることもなく時間を過ごしていました。通信障害故にインターネットも使えなければ、そもそも端末を充電することもできなかったからです。することがなさすぎて猫と長時間戯れたり、庭に出て動物に餌をやったり、そんなことをしながら時間を潰して、それでも復旧しない現状を見て結局寝ることにしました。


デマ

通信障害によってまともに情報収集ができない状況下では、停電による混乱が悪化していました。周辺のお店では水の売り切れが続出し、今回の停電はサイバーテロだという噂まで広まり、なかなかにカオスを極めていました。停電下、通信障害下で情報を正確に得る手段はラジオを聞くことしかなく、車に搭載されてるラジオをずっとみんなで確認していたのを覚えています。


夕飯

冷蔵庫も機能していない、食べ物を買いに行こうにもどこのスーパーもお店もほとんど閉まっている、そんな状態でそれでもどこか空いてるお店はないかと車で街を回っていると唯一明かりが灯っているお店がありました。真っ暗な道の中で久々に電気を見た時の感動たるや…笑

ただ、ご飯を食べようにも明かりがなく真っ暗な中では食べようがない。じゃあ、どうするか、私たちが思いついた策は車のライトで照らしてその中で食べる、でした。あの時ほど車社会に感謝したこともなかったと思います笑 


電力復旧

夜10時を回ったころ、明らかに周りの空気が変わりました。ザワザワとした雰囲気が伝わってきて、これはもしや、と思っていたら玄関の照明が急にパッとつきました。それを拍子に周りの家々にも明かりが灯り始めて電力が復旧しました。あの時の嬉しさは言葉では表しきれません。一日中いつ電気が戻るのか、いつインターネットが使えるようになるのか、明日学校には行けるのか(文化祭の前日でした)、そもそも明日から食べていくための食材は確保できるのか、そんな不安に駆られながら過ごしていたからです。



暗闇で見えてきた!?  ポルトガルの課題

停電は大変でしたが、なかなか日本ではできない経験ができた、ということに関しては良かったと思います。停電はよくあるものの(実際留学期間中に3回ほどは遭遇しました)、ここまでの大規模停電は前代未聞だったらしく、運がいいのか悪いのか…笑

ポルトガルでは電力のほとんどをスペインから供給してもらっています。しかし近年は再生可能エネルギーとして風力発電や水力発電にポルトガルは力を入れていて、EUの中ではデンマークに次いで2番目に再生可能エネルギーによる電力供給の割合が多い国となっています。今回の停電を通して今後のポルトガルの課題​─スペインに依存せずに自国で電力を賄うこと​─が見えてきた気がします。

停電中の光景。まさに真っ暗闇。

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